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18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:19:32.84 ID:sViwJ6eP0 そうとう入れて欲しそうな顔をしていたのかもしれない。サッカーをしている 男子の輪の中にいた一人が、じっと見つめている俺に気づいてさ、「一緒に遊ぶ?」と 聞いてきてくれたんだ。実際には、そう言ったのだろうというレベルで、俺にはまだこの子が 何を話しているのか理解できなかったけれどね。 仮にその男の子をカミーユとしておく。最初は「?」状態だった俺も、ジェスチャーで身振り手振りで 話してくれたおかげで、俺を誘ってくれているんだと理解してさ。とても嬉しくなった。 これが現地の子と初めて会話?した日だったと思う。やっと友達が出来るってウキウキしたよ。 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:19:40.52 ID:uKzE7YX+0 戦争のくだりは何時頃になるのか不安です 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:22:59.41 ID:sViwJ6eP0 >>19 まだ先が長い。俺が暮らしていたのはボスニア・ヘルツェゴビナだったんだけど、 その時はまだユーゴスラビア連邦の構成国だったんだ。 そこには大体3つの民族、ボシュニャチ(ボスニア人)、スルツキ(セルビア人)、 フルヴァツキ(クロアチア人)が混在して一緒に暮らしてたんだ。 そこからどうやって泥沼の紛争になったかを書かないと意味がないと思うから、 まだ長くなる。今話してるのは戦争が始まる2年前の話。 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /19(水) 13:24:32.75 ID:sViwJ6eP0 お互いに言葉は通じなかったけれど、子供同士、皆で一緒に遊ぶサッカーは最高に面白かった。 子どもの頃はさ、身長や体格といった差は人種が違えどさほど変わらないもので、 意外とサッカー中にはボールを触ったり、奪ったり出来た。これも、カミーユがパスをくれた お陰だとは思うけどね。泥まみれになって遊ぶのは楽しい。遊びつかれて夕方家に帰ると、 久しぶりに父さんが早く帰ってきていてさ。「どうしたんだ?友達でもできたのか?」みたいな事を 聞いてきて、「もちろん!」ってニコニコしながら答えたよ。思えば、この街に来て初めて笑った日だった かもしれないなー。
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