「真一君」

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それで敦司君も気づいたみたいで、私を見ると立ち上がって「入りなって」と言いながら椅子を一つ出してくれた。 敦司君の向こうに座っている人に軽く頭を下げながら、出された椅子に腰掛ける。 この生徒会室にはドアとは反対側に大きな窓があり、その向こうには静かな雪だけの街が一面に広がっていた。 まるで映画にでも出てきそうな程の景色だった。 「食う? 駅前のコンビニで大量に買い込んできたから、まだまだあるし」 敦司君がお菓子を袋ごと差し出すので一つだけ口に運ぶ。 すると彼は栞と書類を見て何か話している人に尋ねた。 「真一。お前、未帆と会った事あったっけ?」 「いや、初対面。今日来るっていうのは知ってたけど」 真一君は書類を栞に預けて、私の方に目を向けた。 「ごめんね、なんか取り込んでて。普段は本当に暇なんだけど、この時期は面倒な事が多くって。僕の名前...敦司か栞から聞いてる?」 私が首を横に振ると栞が書類を破りながらつぶやいた。
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