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でもこうして、久しぶりに家族でゆっくりと車に乗って、こんな綺麗な雪国にやって来れたのなら、それも悪い事ばかりじゃないかもしれないと思えた。
「もうそろそろなんでしょ? お母さんと豊、起こさなくていいの?」
助手席に座ったお母さんも豊が眠りはじめた辺りから、同じようにうたた寝を繰り返していた。
「もう少し寝かせてやろう。疲れてるんだ。
引越しの荷物のまとめも母さんがほとんどやってくれたからな」
それだけ言って、お父さんはまた信号で止まった間に手元の地図と睨み合う。
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