3人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
その日は結局、しばらく三人で真一君を待つ事にしたけれど、時間が経っても出てこなかったので、仕方なく暮れかけた雪道の中を帰る事になった。
家に着いた頃にはもう日はとっくに暮れていて、初めて夜の雪の中を歩いたけれど、やはり少し怖い感じがした。
初めてのものは何でも怖く感じられてしまうのかもしれないけれど。
家では当然、家族みんなが初日だったわけだからいろんな話が出たけれど、私のが一番、話のネタになってしまっていた。
初日から、変な生徒会副会長に、もめごと処理の上手い人、そして昨日の引越しに来ていた敦司君。話題にならないはずはなかった。
私の話ばかりで、他のみんなの話はあまり聞けなかったけれど、どうやらお父さんも弟の豊も、初日はわりと難なくいったらしい。
とりあえず、最初の一歩は成功だったようだ。
私の最初の一歩は成功だったんだろうか。
少し不安が残る。
成功と言えるのかどうかはわからなかったけれど、部屋に戻って一人になってみると、意識したわけでもなかったのに一日の出来事が順に思い出された。
最初のコメントを投稿しよう!