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そこは本当に結婚式などのできそうな教会だった。
正面には巨大な祭壇と十字架、ステンドグラスの絵画、その隅には黒ずんだオルガン。
そして長椅子が中央の通路にそって両側に並んでいる。
割と聖堂自体は広いので、宗教の時間は2クラスが一緒に授業を受ける。
そのせいか、知らない人も多く長椅子に座っていた。
「席は好きな所に座っていいから、この授業は。でも後ろの方はもう空いてないね。前、行こっか」
栞は入り口近くに立つ多くの人の合間を縫って、中央の通路を真っすぐに歩いていく。
私も遅れないようについていくと、ふいに彼女が足を止めて、長椅子に座っている一人に軽く声をかける。
近くに行って見てみると、その人は真一君だった。
昨日、結局最後は会えなかったけれど、ちゃんと学校に来ていたので妙にほっとした。
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