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「敦司君の家ってどのへんなの?」
中庭が終わり、数段の短い階段を上がると本館へと足を踏み入れる。
「一駅くらいよ? 未帆は反対側だから定期は効かないけど、往復したって500円もかからないから。どう?」
冷たい廊下を歩きながら、うなずいた。
今、その敦司君のクラスの前を通る。
半分開いたままのドアからは彼の姿は見えなかった。
見えないあたりの席に彼が座っていたのだろうけど、栞は何のためらいもなく、そのクラスに入って行った。
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