「土曜日の午後」

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「真一君、用事があるって行ってたけど、来るのかな...」 私の言葉に、彼女はカウンターに両肘を突いて、敦司君の手つきを覗き込んだ。 「多分、いつものお墓参りだと思うよ? すぐに来るでしょ」 「ふーん」 彼はどうも几帳面な人なのかも知れない。 私なんか、お墓参りなんて年に数回行ければいい方なのに。 よほど素敵なおじいさんか、おばあさんだったのだろう。 そんな人が家族にいるのもうらやましい事だった。 私は真一君を待ちながら、だんだんと香ってくるチョコレートも待ち続けた。
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