「何を持っている?」

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敦史君が首を傾けながら、イヤそうな顔をする。 栞がヤマを張っていたというのも意外だけど、敦史君が結構真面目なのも意外な感じがした。 ちょっとこれは口にできないけれど。 「未帆って前の学校だと成績よかったの?」 栞が突然私に話を振ってくる。 とてもじゃないけど、私は栞のようにすごい成績でもなかった。 英語もだいたいは参考書に頼って、なんとか親に見せられる程度の数字を出していただけで、実際にそれが実力になっているのかと言われると、私には何も答えられなかった。 「全然。私、普通の成績しかとれないから」 「ふーん。なんか、すごく勉強してそうなのにね。家で何かやってるとか」 栞も敦史君も真一君も興味ありそうに私の方を見ていた。 けれど私にはその質問へのいい答えが思いつかなかった。 「特にこれって言うのはないけど…」 「そうなんだ」
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