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静まりかえる部屋の中、水の音だけが部屋を包み込む…
サーっと流れ続ける水の音さえも、胸の鼓動の音にかき消されるようで…何も音が聞こえないくらい動揺し、ドクンッっと鳴り続く胸の音…闇乃さんに聞こえてないか…心配をよそに、強く抱きしめられ
最近、闇乃さんとこんな近い事なかったのに…なんでこんな近いんだ!!!!!!!!!!!!!!
そう思えば思う程に、次第に早くなる鼓動
更に顔を赤らめては必至に逃げ道を探していると―
♪~♪~
「あ、携帯…」
沈黙を破ったのは、アキラの携帯の着信音だった
テーブルに置いてある携帯を取ろうと、少し動こうとすると
「出なくていいですよ」
囁かれて、肩を掴まれたかと思えば、壁に追いやられていた―
なにが起こったか分からず、唖然としていると…柔らかいモノが唇に当たった
把握するのに数秒かかったのは事実、今起こってるコレもまた事実…把握した瞬間、なにかがこみ上げるように…全身が、カッと急に熱くなった
「んん?!///」
何故こうなっているのか、何故こうなったのか、何も分からないまま…ただただ…優しいキスをされていて、頭の中はゴチャゴチャしてて…目を閉じソレをただ受け入れ、数秒が数分・数時間に思えるくらい長くて…唇が離れると、どこかソレが恋しくて
「あ…」
不意に、闇乃さんの腕を掴んでいて
「…帰ってきたら、ね??」
その手を優しく掴み返せば、そっと優しく口づけ…アキラが手を離すと、軽く頭を撫で言えば微笑んだ
「…」
どこか不安に思わせるような言い方で、でも捉え様なのだろうか??どこか照れくさいながらも、黙って頷けば学校に行く準備の為、自分の部屋に向かい
「…大人げない…」
アキラの背を見送れば、溜息と共に頭をクシャッとかき上げ、ボソッと言い放ち…流れっぱなしの水道の蛇口を閉めると、再び溜息を漏らした
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