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「ちょっと待った!!」
威勢の良い甲高い声と、階段上から見下ろす態度で現れたドレス姿の少女が、雄たけびを上げた。
「なんだ?」
さすがの我道もこの状況に驚きを隠せなかった。
「白昼堂々、生徒達を困らせる悪漢は、この正義の味方ミトレンジャーがぺんぺんするんだから!!」
いまひとつコンセプトがわからない決めポーズをとりながら、ミトレンジャーことレンが、ヒーローコスチュームらしい軽装のドレスを身に纏い登場したのだった。
「た・・・すか・・・た?」
疑問符つきの安堵の声を漏らす、パンの所有者2人。
しかし目の前の恐怖が過ぎたわけではなかった。
「さぁ、そのパンをわたしな。」
サングラス越しでも血走った目が見えそうな勢いで、パンに食い下がる我道。
すっかりミトレンジャーには興味が無い彼は、好奇心より食欲の方が勝ったようだ。
「このぉ、お前の相手はわたしよ!」
勢いよく飛び出し、そのままの勢いで我道めがけて飛び出したミトレンジャー。
その熱い拳は、我道の顔面めがけて勢いを増すのであった。
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