12、『呪い狂想曲』

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「なんだよ。なんで今日はそんなにしつこい……。」 つい本音が出てしまった。 俺もかなり険しい顔で言ったつもりだが、未来はまったく引いていない。 それどころか、少しずつ顔が歪んでいっているようだ。 「なんだか最近……桃城くん、つれないね。」 「別にそんなわけじゃ……。」 「…………桃城くん。何だか、変ワッタネ?」 え…? その未来の言い方に少しの薄気味悪さを覚えた。 なぜだろう。 未来の口元がぐにゃりと歪んでいるように見える。 「変わってねぇよ!」 「ソウカナ?桃城くんは最近、何だか楽シソウ。わたしには教えてくれナイノカナ?ヒヒヒ…。」 背中がゾクリとする。 脊椎が凍りつく感覚。 昨日の時みたいだ…。 彩香が豹変した時と同じ…。 俺が直立不動になっているのを見て、未来はにっこりと笑った。 「そっかぁ…。ざぁんねぇ~ん。」 そう言った未来はいつもの雰囲気に戻っていた。 「また今度にするね。………用事かぁ……。『みんな』にも言ッテオカナキャネ。ふふふふ…。」
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