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うっ!
なんだっ!
次の扉を開けて中に入ると人間の声に電子音が加わったような、感情のない声で頭に伝わった。
俺は一気に冷静ではいられなくなり、走った、
扉を開けるとまた同じような部屋に出て、また扉がある。
俺は走り、扉を開け、次の部屋に行き、また扉を開け…
【さぁ、脱出ゲームを始めよう】
その言葉を振り切るように走り続けた、
一体この建物の作りはどうなっているのだろう、扉を開けるとまた部屋、扉を開けるとまた部屋、
もう…疲れた…
汗も沢山かき、心拍数も普通じゃない、それに加え、恐怖とか、罪悪感とか、色々なものに次々と襲われ、少しパニック状態になっていった…
次の扉を開けると、今までとは少し違った広い部屋に出た。
二段ベットが置かれているだけの部屋には変わりないのだか、今回の部屋は今までの正方形とは違い、長方形だった。そして若干色身が明るくなったようだ…
何故かベットには数人、中学生の時の同級生がくつろいでいる。
走っているのだが…なんだか体の動きがゆっくりになっていく…
さっきよりまたさらに白が強くなっていく…
懐かしい同級生に声をかけたいのだか、声の主が許さないのか、発言が出来ない…
スローな世界は自分の汗が散るのさえ幻想的に写す。
汗はキラキラ輝き、呼吸の音が気持ち良い。
なんならもう走るのをやめても良かった。
長方形の部屋を走りきり、また扉を開けると、その先には足場がなく、少し落下した後、うまく着地した。
ただのだだっ広い空間に出た。
【さぁ、脱出ゲームを始めよう】
くっ!
またあの声だ…
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