風の吹く丘の物語

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今日は留置所から鑑別所へ移送される日だ、白い囚人服にを着せられ車両に乗った、これで暫くは外の空気を吸うことはできない、いや、一生吸えないかもしれない… ふと金網の貼られた窓に目をやると、あの丘が目に入った、 警察の方に無理をいい、少し外に出させてもらう事が出来た… すると遠くに彼女の姿が見えた、事件以来連絡すりゃ取っていない彼女の表情は、遠くからみても分かるくらい悲しみに満ちている。 彼女は丘に向かっていたのだ、 俺はハッとし丘に向かいダッシュした、丘は遊歩道の他に獣道があり、そこを登ったほうが早く着くのだ、 彼女が丘の上に着いた、涙も枯れているようなとても切ない表情だ… 手紙を取り出す、内容を読む はぁはぁ… 『あなたがこの丘にもう一度登った時、あなたの目の前にいるひとが運命の人です』 間に合った… 二人は抱き合い泣きながら崩れ落ちた、 浮浪者だろうか、ばばぁが何故か凄い剣幕で怒鳴っている、 二人の耳にはいらない その丘は春の暖かい陽気に誘われ菜の花が咲き小鳥が歌を歌っていた fin …とこのテロップで強制的に眠りから覚めた。今日は休みで予定も何もない日、いつものように携帯の時計を見るとまだ4時だった。俺は体を起こし、切ない気持ちになった。
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