1人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前がはっきりして、耳鳴りも止んだ。
どうやら土嚢に囲まれた場所にいるらしい・・・
しかし銃声は止まない。
(なんで俺はこんな所にいるんだ?
それに・・・軍服みたいなものを着て、
古ぼけた銃を持っている・・・)
(これは・・・戦争・・・なのか?)
「これは夢?それとも現実!?」
「俺は誰だ?ここは何処だ!!」
いろんな疑問を叫んだが、
それも銃声に掻き消された。
暫くすると、
「早く撃てぇ!!!」
と、誰かが叫んだ。
けど人なんて見えない。
人なのかを判断している余裕も無い。
俺はとにかく撃ちまくった。
我武者羅に、無我夢中で。
次第に全身にアドレナリンが満ち渡る・・・
カチッカチッと音がする。
(弾切れか?)
急いで土嚢に隠れた。
と、同時に足元に何かが落ちてきた。
隣にいた若い男が叫んだ。
「投げ返せぇぇ!!」
最初のコメントを投稿しよう!