死の無い戦争

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その声に反応したのか、 体が勝手に反応したのか、 無意識のうちに投げ返していた・・・ しかし「それ」は手から離れた瞬間に爆発した。 その瞬間何かを思い出した・・・ 何か、忘れてはいけない記憶。 けれどもう思い出せない。 右腕から全身に激痛が走る。 (声が・・・・・出ない・・・) (右腕が冷たい・・・) 体が硬直していく感覚にも襲われた。 多分・・・ その場所に倒れこんだ。 「衛生兵!!!」 薄れゆく意識の中で、 誰かが叫んでいたのがはっきりと聞こえた。 誰かが駆けて来るのも見えた。 しかし戦争に手加減は無い。 ヒュン・・・ と言う音が聞こえ、 頭に何かの振動を覚えたのを最後に、 目の前は真っ暗になった・・・
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