失われた記憶

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真っ白な天井が見える。 (・・・夢・・・?) 「893番さん意識回復です」 (女・・・?) (893番?) 何か眩しい光が目に入る。 しかし瞼が押さえられて閉じることが出来ない。 「異常無し。状態良好、UWED解除します」 その声と共に細くて白い手が目の前を遮った。 「今から装置外しますね」 (装置?) (何の事だ?) 頭をいじくってる・・・・ (嫌だ・・・) 動こうとしたが、体に力が入らない。 カチャッ っと音がすると、 不思議と一気に疲労感が薄れた。 「お疲れ様です、暫くしたら動けますから安心して下さい」 (なんだ?何が起こってるんだ?) (右腕・・・) (在る!) 「動く!」 「はーい、今外してますので動かないで下さいね」 感動を遮るように優しい声が響く。 「あ、すいません・・・」 俺は思わず謝っていた・・・
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