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(俺には・・・
自分が誰なのかを思い出すことも出来ない)
(日本語・・・だよな・・・
日本人なのは確かか・・・
しかし一体ここは・・・?)
そんな悩みを他所に渡辺はさっさと仕事を終えたい口調で、
「じゃっ、着替えが終わりましたら本施設一階、
西側の7番受付窓口まで来てくださいね」
と、
目の笑っていない笑顔で言うとそのまま出て行ってしまった・・・
俺は一呼吸すると、ふとんから抜け出し、
少しよろめきながらロッカーの扉に手をかけた。
予想はしてなかったが、
ロッカーの中に身に覚えのあるものを目にした。
(軍服・・・・・夢の中と同じもの・・・だよな・・・・・)
そこには綺麗な状態の軍服と、
小さく893番と書かれたなシャツ、
そして黒い煙草の箱の様なものが置いてあった・・・
他に着るものも無く、
仕方なく軍服に着替え、
煙草の箱らしきものを手に取った瞬間、
突然、箱が光りだした。
「うぉっっ!!」
大声が出る程驚いたが、
周りには気付く者も居ない・・・
よく見ると、矢印で何処かを指している。
どうやらGPS機能がついているらしい。
俺はそのGPSらしきものを握り締め、
矢印の方向へと向かった。
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