第一条 国家元首について

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 普通の日々に、普通の僕が、普通に暮らしていた。もう、何回普通って言ったって足りないくらい普通で、だからみんなと同じように退屈で仕方なかった。  万物流転、諸行無常に則って、空に浮かぶ雲は動くけれど、空はいつまでも空のまま。だから僕の生活も退屈極まりない。人は動いても、根本が変わらないんだから。  だから確実に自分が何かを動かせればなって、いつだって思ってる。誰だってそう思ってるよな。出来るのならば、学級委員、生徒会長、校長、どんどん広がって、総理大臣になってしまいたいよ。そのために、 「国家は領土、国民、行政の三つから成り立っているのは知っているよな」 「知らん」 まず、僕をこの計画に誘った佑久(たすく)から教育し直さなきゃならない。  雲の浮かぶ空のような生活は昨日で終わり。僕は目的を見つけさせられてしまった。僕らの大いなる野望は世界征服だ。
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