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蒼い少女の体には既に無数の傷跡と打ち身の痕があった。
その痕はまだ新しい。
そして見上げても見上げなくても蒼い少女の味方はいない。
オニスズメの少女が言った。
「あんたの種族はいつも他の種族を見下して馬鹿にして!目障りなのよ!」
ぴっと蒼い少女を指差してそう言った。
蒼い少女はそれに目を細めた。
ほら見ろ、我が一族。
私たちはこんなに他の種族から嫌われてる。
だからあほらしくて、馬鹿馬鹿しいんだ。
蒼い少女は薄く笑って大群を見上げた。
ここで、私が死ねば自分たちの愚かさに……
そこまで考えて蒼い少女は苦笑した。
(愚かさに……気づくかな?)
眉を細めて嫌な顔するだけなんだろうな、と蒼い少女は苦笑を深めた。
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