5人が本棚に入れています
本棚に追加
蒼い少女の前に出てきた小柄な子どもは蒼い少女より小さく、声も愛らしい、けちをつけようのない可愛らしさを持った子だった。
人間の子?
蒼い少女はそう思ったと同時にその子どもの腕をぐいっとひいた。
「危ないよ!人間の……しかも小さな女の子が……」
蒼い少女がそう言いかけた時だった。
その愛らしい子は蒼い少女に勢いよく向くと大声で怒鳴った。
「俺は男だ馬鹿!!!」
それだけ言うとふん、と蒼い少女から目を離し、少女…と思っていた非常に愛らしい少年はオニスズメの大群に目を向けた。
わらわらといる鳥人間をぐるりと見回して、少年はにやりと笑った。
「今日の晩飯は」
ぽつりと呟いたそれに蒼い少女は苦笑した。
と同時に少年の目が光った。
「唐揚げか!焼き鳥か!むしろ贅沢に両方かああああああああ!」
そう叫んで少年は駆けた。
下手をしたら少年の晩御飯になりかねない鳥人間たちが「ひっ」と小さく悲鳴をあげたのにも関わらず。
「……て言うか」
あの子人間でもポケモンでもない。
化物じゃん。
と蒼い少女が思ったのはご愛嬌。
最初のコメントを投稿しよう!