3章"再会"

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「…小五郎…そろそろ…良いかい…後は…窓から見える…。」 自分の力と白虎の力の制御、それに術を持たせる精神力…そろそろ限界…。 「あ…あぁ…瑠衣もしかして私の為に無理をしてたのかい!?」 瑠衣は印を解く…ただの水に戻り何も写さなくなる茶碗…。 茶碗の水に指先を付け血だけを抜き取る。 「はぁ~暫く休めば大丈夫…少し力を使い過ぎただけ…。」 瑠衣の体がふらりと揺れる、咄嗟に抱き締める桂…。 「大分無理してたんだね…私に見せる為に…すまない…。」 抱き締められて力が抜ける瑠衣、夜までには力の回復は出来る…その為の朱桜刀。 「ごめん…小五郎…少し眠る…。」 そのまま気を失う様に眠りについた。 「馬鹿だね…分かっていれば、こんな事させなかったのに…私のせいで…でも…ありかとう瑠衣…。」 桂はそのまま瑠衣が目が覚めるまで抱き締めていた…。 蛤御門の戦闘も一段落し、一ヶ所に集まる新撰組。 其処に会津から連絡が来る。 「天王山? 其処に立て籠もっているのか…。」 「わても確認しましたわ、確かに天王山に立て籠もって居ますわ、中には久坂玄瑞、真木和泉、大物が居てます。」 「して数は?」 「そないに多くは無い、けど地理的に不味い、天王山の山頂に陣を構えとる…登ったら狙い撃ちや…。」 「ちっ面倒な場所に…。」 土方の眉間のシワが深い、相当考えてる様子だ。 「お…おぃっ!!あれ見ろ!!」 「街が火の海だぞっ!!」 平隊士の声に土方も火の手の方を見る。 「…此処までやるか…。」 時良く島田が偵察から戻って来た。 「島田っ状況は?」 「はい、長州藩邸と鷹司邸から出火、この風で火の手の回りが早いですっ!!」 土方は地図を広げ、場所を確認する。 「不味いな…こっちも捨てては置けねぇ…山崎、幹部を集めてくれ。」 「分かりました。」 すぐさま幹部が集まり会議が始まる。 「良いか、天王山と火災二手に分かれる、近藤さんは天王山、俺は火災を担当、天王山には総司、永倉、原田…それに源さんの隊に行って貰う、残りは俺と火災の消化活動だ!!」 「なんだわしもかのう…久しぶりに腕がなるわい。」 少々嬉しげな井上。 「天王山組は直ぐ近藤さんと出発して貰いたい、残りは俺と御所を出て長州藩邸の方に向かう良いな!!」 ・
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