3章"再会"

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昼近く…近藤達は天王山の長い階段を登っていた。 「何処まで続くんだ…。」 この暑さに永遠と続く階段である、原田も暑さに引き気味。 「確かに…このままだと山頂に着く前に暑さで全滅しそうだ…。」 近藤も流石に一言漏らす。 「待てよ…皆止まれっ!!」 何かを思い付き、近藤は部隊の進行を止める。 「皆、着ている甲冑を脱ぐんだ!!」 近藤が自ら進んで甲冑を脱ぎ捨てる。 「このままでは山頂に着く前に我々の方が全滅するっ、身を軽くし、暑さを凌ぐ!!」 その言葉に隊士達も藩士達も甲冑を脱ぎ出す…。 『ガチャン‥ガチャン‥ガチャン‥』 物凄い数の甲冑が階段に転がる。 「はぁ~涼しくなりましたぁ~。」 「それに軽くなったしな。」 総司と永倉は軽く飛び跳ねて見る。 「おいおい…階段の上だぞい、落ちたらどうする…。」 軽くたしなめる井上、そういう自分も甲冑を脱いでかなり楽になった。 「皆脱いだか?行くぞっ!!」 近藤の言葉と共に進行が再開される。 その様子を木の上から見ている瑠衣、一応心配半分で山頂から少し下って来た。 (心配は無さそうだな…後は衝突する瞬間か…。) 木を伝い、また山を登る、山頂までまだ少しある、暑さで倒れるのは居ない様だが、この階段はきついだろう…。 総司も汗をかきかき登っている。 瑠衣は腰の脇差しにそっと触れる、元々総司の脇差し…ずっと一緒に時を歩んだ…。 (今はまだ…もう少し…) 心配していた封印も根付けと、連日の戦闘で気を張っているせいか安定している様だ。 山頂が近付いて来る、瑠衣は先に山頂の木の影に身を隠す。 この天王山で幕府方に死者は居ない、ただ数人怪我をするくらい…けど怪我をさせたくない、瑠衣は懐から結界符を取り出し、じっと時を待つ…。 近藤達が山頂近くで真木和泉と睨み合いを始めた。 (そろそろだな…。) 瑠衣も慎重に出る機会を窺う。 「我は真木和泉、この天王山に登る者は何者ぞ!!」 昔ながらの鎧甲冑に陣羽織り、少々時代錯誤な真木。 「私は近藤勇、会津藩預新撰組局長だ!!」 「ほぅ近藤とやら、この天王山に登るとは良い度胸をしていると見る。」 真木はニヤリと笑い近藤を見下す…。 ・
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