2977人が本棚に入れています
本棚に追加
/1184ページ
「私達は戦うのみ、皆行けっ!!」
近藤の合図に刀を抜き、山頂へと飛びかかろうとする新撰組隊士達。
「撃てぇ~!!」
真木の声が木霊する。
其処には銃を持った長州藩士が新撰組隊士を狙っている。
引き金を引こうとする瞬間、瑠衣は両軍の前に躍り出た!!
「「!!!!!!!!」」
素早く結界符を投げる瑠衣、それと同時に引き金は引かれる!!
『パン‥パン‥パン‥パン‥パン‥パン‥パン‥パン‥パン‥パン‥』
銃弾は瑠衣の八陣結界によって全てはじき返される…。
「ひ…引け~!!」
真木の声に藩士達は全員小屋へと入る…そして…
『ドォォォォォォン!!』
中から火薬が爆発し、小屋は火に包まれる・・・・
「な…じ…自決ー!?」
近藤達も驚きを隠せない。
瑠衣はただ炎に包まれた小屋をじっと眺めている…。
(さよならだ…久坂玄瑞…)
山頂の炎は下まで見えるだろう…此で禁門の変の大きな所は終わりを告げる…。
後は暫く残党狩りだろう…
"パシッ"
誰かが瑠衣の手首を掴む、それに反応して振り向く瑠衣…
掴んでいるのは総司だ!!
「何故助けてくれたのですか?」
今話す訳にはいかない…瑠衣はその辺に落ちている小枝を広い、土の上に字を書く。
"助けたいから助けた"
書いて、総司の瞳をじっと見る…。
「あなた話せ無いのですか!?」
否定とも肯定ともつかない仕草をする。
「君助かったよ…君だよね脇差しを持った忍って。」
近藤が瑠衣に話掛けて来る。
"多分そう"
また土の上に字を書く。
「…話せ無いのかい?
みんな無理に話させようとしただろう。」
その言葉に小さく笑って見せる。
「話せ無いって??」
「そりゃすまんかったのう。」
原田と井上も此方に来て状況を把握する。
その後ろには永倉の姿もある。
瑠衣はまた文字を書く。
"逃げないから、手離して"
「…!!
あっ…すみません…。」
総司が慌てて手首を離す。
瑠衣は手首を振り、総司に握られた跡をさする。
余程強く握ったのか、くっきり跡が残っている。
「すみません、つい反射的に…。」
その言葉に首を横に降る瑠衣。
「兎に角一緒に来て頂けるのですね??」
それには首を縦に降る。
・
最初のコメントを投稿しよう!