3章"再会"

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天王山の下の夜営地の木の上で瑠衣は呑気にしている。 あれから後始末だの何だのが終わり下に降りて来た。 「・・・・・・・」 手首には包帯が巻かれている、先程総司が薬を塗って包帯を巻いてくれた…。 (記憶無くても無意識か…) 巻かれた包帯を見て、笑いが込み上げて来る。 笑う訳にはいかないので、必死に我慢…。 「おにぎりたべませんか?」 下から総司の声がする。 うんと頷くと、おにぎりが飛んで来た。 瑠衣は先程井上がくれた紙と筆入れ(携帯用で墨が入ってます)を取り出し、ありかとうと書いて下に落とす。 総司は紙を上手く受け止めて 「いいえ、お腹空いたでしょう…。」 そう言って笑っている。 おにぎりが入っている包みを開けて食べようとしたら、総司が木の上に登って来た。 きょとんと見てると、自分もおにぎりを取り出し食べ始める。瑠衣もおにぎりを食べ始めた。 「少し…質問しても良いですか??」 頷く瑠衣。 「何故忍刀では無く脇差しなのですか??」 瑠衣は仕方無く、紙に字を書いていく…。 "大切な物だから" 「大切…けど使いにくくありません?」 "馴れたから大丈夫" 「馴れるんですねぇ~あっそれとその髪紐、どこで手に入れたのですか?」 その質問に瑠衣は少し困った顔をする…。 あの時、ふらふら歩いていて、実際何処の小間物屋で買ったか覚えて無いのだ。 必死に思い出そうとするが、分からない。 眉間にシワを寄せて考える瑠衣…。 そんな瑠衣の顔を見て、ケラケラ笑う総司。 「そんなに考えたら、土方さんみたくなってしまいますよ…ぁはははは♪♪♪」 其れには困り顔の瑠衣。 とりあえず分からないので… "すみません、何処で買ったか覚えてません" と紙に書く。 瑠衣の表情からして嘘は無いと思った総司。 「そうですか…分かりませんか…私と同じですよね、色は違いますが…。」 とりあえず総司の髪紐を見て、うんと頷く。 「私も何処で手に入れたのか分からないので…もしかしたらと思ったんですけど、分からないものは仕方が無いですねぇ。」 初めの頃を思い出す、よく総司は色々聞きたがって来たっけ。 此方の時間ではまだ一年経って無いのに、物凄く懐かしい感じがする…。 ・
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