3章"再会"

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「本当は初めから分かっていた、私に関わった人間の記憶を消さないといけない事…それが掟だから…総司が私を忘れてしまうのも分かって…それで…。」 泣きじゃくる瑠衣、多分辛かったのは瑠衣の方…全てを知った上で… 「瑠衣…言いましたよね…記憶が無くても心は覚えているって…ちゃんと覚えていましたよ…。」 「それが総司を苦しめる結果になるなんて…グスッ…私はそんなつもりでは無かった。」 「うん…。」 「総司にはまだ選択肢があると思った…普通に恋して…普通に婚姻して…普通に家族を作って…私には何も出来ない…から…。」 「私にはそんなの要りませんよ…瑠衣…あなたさえ居ればそれで良い…。」 懐かしく髪を撫でやる… 「本当に良いの? まだやり直せるんだよ??」 「やり直す気なんてありません、私が選んだんですから、其れより辛いのは瑠衣でしょう、私が居なくなっても瑠衣は…。」 その言葉に瑠衣は総司の着物をきつく握る。 「一度記憶を封印したのを戻したら、もう二度は出来ない…それと…総司とずっと一緒に居られる方法が一つだけ…ある…」 「あるのですか?」 「だけど…十年掛かるか五十年掛かるか分からない…時を待つしか無いから…。」 「…時…ですか…?」 「そう…総司の一生…総司の歴史を変えた事で私でも総司の一生は分からない…だから時を待つ…生きている人間を過去から未来に連れて行くのは掟が許さない…けど…」 「…けど?」 「けど…一生を終えた魂なら、未来に連れて行ける…。」 「…それって私幽霊ですよねぇ??」 「違う…総司の全てを持った魂と、私が作る新しい精霊…それを融合させれば肉体は戻る…それだと百年でも千年でもずっと一緒に居られる最後の賭…必ず上手く行くとも限らない…僅かな望み…決めるのは総司…一生を終えて皆の所に行きたいならそれで諦める…。」 「そんな事考えてたのですか…。」 総司も余りにも大きな話しにびっくりしている。 「戻ってから、色々調べた…で、見つけたのが今の方法。」 もし記憶が戻らず他の女の人と一緒になっていたら、綺麗さっぱり忘れようと思っていた。 未練を背負うのは自分一人だけで十分。 「馬鹿ですよ瑠衣は…私が嫌と言うと思いますか?」 頬に触れ、涙を拭う。 ・
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