3章"再会"

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「兎に角総司、このままだと動けないのですが…」 「・・・何となく避けたく無いですね…また何をするか…。」 「総司~!!」 「冗談です。」 瑠衣の上から横に移動し、呑気に布団に転がる総司。 「どうでも良いですが隊務はどうしたんですか??」 瑠衣は半身起き上がり着流しを羽織る。 「あぁ…今日は非番ですから、で今何時ですかぁ?」 洞窟内時間の感覚が無い。 瑠衣は徐に文机の上の時計を見る。 「九時ですから、鶏の刻過ぎですね…。」 時計は現代の物、それを此方の言い方に合わせる。 「て事はまだ朝だったんですか?」 「はい。」 かなり眠って居た様に思えるが、実際は六時間程度、普通の睡眠時間だったりする。 「て事は今日一日勿体無いですねぇ。」 総司は文机の下にあった始末し終わったリストを眺めている。 「外…暑いですよ??」 「う~ん…それも嫌ですねぇ~…あれっ?」 「どうしました?」 「この人物、この間の残党狩りの…。」 瑠衣もリストを見る、確かに天王山の夜の長州兵… 「良く覚えていましたね…あの時追ったのは、そういう意味も含めてだったんですよ。」 「そういえば全く話しませんでしたよね瑠衣…。」 お願いだから、この感が良いのを誰か止めて欲しい…↓↓ 「…『鍵』だったからです…記憶の封印を解く『鍵』は私の『声』…あの場で記憶の封印を解いたら騒動になっていたでしょう。」 「確かに組だけで無く会津、薩摩も居ましたからね…近藤さんや左乃が騒いだら大事になっていましたね・・・」 想像するだけで先が見える様な気がする‥それもすこぶる悪い方に…↓↓↓ 「そんな訳で話せなかった、三日間一言も話さないのも、かなり辛いのですが・・・」 「それは分かる様な…それと髪紐の話本当なんですか??」 「本当です。 あの時適当に歩いて居たので何処で購入したか本当に覚えて無いです……はぃ…。」 何となく尻つぼみになってしまう…我ながら見事に覚えていない…何処歩いていたんだか…↓ 「けど、それで良くこの様な凝った作りの髪紐を見つけましたね、中々手に入りませんよ?」 「確か…通りを歩いていたら目に付いたんです、店の主は…有名な小間物職人が作ったと言ってましたね…かなり曖昧な記憶ですが・・・」 ・
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