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「へ~そういえば髪紐の経緯初めて聞きました。」
「言ってませんでしたね、散々総司から借りていた髪紐を切られたんで探していた時ですよ、この二本で一組だったんです。確か其れなりの値段もしましたが、あの頃は殆ど金子なんて使う事無かったですからね…。」
「あぁ…給金全て箪笥に放り込んでいましたねぇ~」
「余り必要無かったですからね、本当に外出する時くらいしか持っていませんでした。」
「げど今は?」
リストを見るのも飽きたのか、総司も着流しを羽織って此方を見てる。
「月詠が稼いだのが残ってますし、それに月詠また島原行ってますしね・・・」
「…また島原ですか・・・」
「はい、気に入ったみたいですね、こっちに戻って来た時にさっさと島原行ってしまいました…↓↓↓」
瑠衣も呆れた調子で仕方無いという仕草をする。
「ぁはは…らしいと言えばらしいですねぇ~」
月詠の本性を知っている総司にとってはそう思うだろう、瑠衣も敢えて其処には突っ込まない。
「そう…朝ですよねぇ~どうりでお腹がすいたと思ったんですよ。」
(…腹時計の方が正確ですかっ…!!)
瑠衣の腹の内なんかお構いなしの総司。
「はぁ~適当で良かったら何か作りますよ。」
「本当ですかぁ♪」
瑠衣は立ち上がり、羽織っているだけの着流しを、きっちり着る、そして土間を抜けて炊事場に向かう。
「こっちも三日間居ませんでしたから、大したものは作れませんよ…それと、甘味は無いですからね!!」
桶を持って外の井戸に向かう。総司も服を着て後を追う。
「別に甘味は期待してませんよぉ~ただ、瑠衣の手料理が食べれるのかなって♪♪」
思わず水を汲む手が止まる。
「ほ…他に誰が作るんですかぁ~///」
顔を赤くして総司とは反対の方向を向く…要は照れくさい…それだけ…。
「けど料理出来たんですね。」
「はぁ…何だか馬鹿にされてる気が…兎に角子供時代は自炊でした、必要最低限の料理は作れますっ!!」
桶に水を移し、炊事場に入って行く。
炊事場から良い匂いが立ち込める、ご飯と味噌汁、漬け物くらいはある、後は卵と野菜程度…瑠衣はあれこれ考えて、玉子焼きと野菜の煮物にした。
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