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(お膳…多めに買って正解だっなぁ…)
細々した物を買いに行った時、一つづつに不自然に思われた為、新居を構えるなんて名目で二づつ購入した、まさか使う事があるとは思って見なかったが…。
出来た料理を土間に運ぶ、お膳が2つ、向かい合わせも何だから隣に置く。
「わぁ…美味しそうです♪」
「はいはい、どうぞ。」
瑠衣も総司の隣に座り箸を持つ。
「いただきます~♪」
隣どうしの席…組に居た頃は当たり前だった光景…瑠衣はそんな事を思いながら箸を進める。
「うんっ、美味しいですねぇ~瑠衣料理上手だったんですねぇ~。」
「屯所じゃ作る機会なんて無かったですからね…今も外で食べる方が多いですよ。」
玉子焼きを摘み美味しそうに食べいる総司、そういえば作ったものを人に食べさせるのは初めてかも知れない。
「勿体無いですねぇ~こんなに美味しいのに…。」
他の人に食べさせて、美味しいと言われるのはかなり嬉しいかも知れない。
「一人ですからね…食べたかったら、また作りますよ‥今度はちゃんと材料買っときます。」
「絶対ですよ!!
約束ですからね瑠衣。」
「えぇ…。」
約束と言う言葉に弱いのを知っていて自分に言っているのは分かっている…けど何となく嬉しかったりする。
「…総司に転移方陣は無理ですから、外の隠し扉、総司が自由に開けれるように細工しておきます、此処好きに使って構わないですよ。」
「良いのですか?」
「えぇ…総司なら信用出来ますから。」
にっこり笑い、食べ終わったお膳を片付け始める。
「何だか二人だけの新居って感じで良いですねぇ~♪」
「だ…だから、そういう恥ずかしい事をさらっと言わないで下さい!!」
片付けをしているので後ろを向いているが、実は耳まで真っ赤になっている瑠衣。
そんな瑠衣に気付いて総司はクスクス笑っている。
場所と立場を考えなければ本当に夫婦水入らずの光景にも見える…。
「…夜…記憶を封印した方全員集めて下さい…封印を解封します…それでどうなるかは分かりません、組にまた入れる様になるか、それとも…
兎も角昼の内に朱雀様から一筆貰って来ます…それ次第ですね…。」
瑠衣は後ろを振り向かず、総司に覚悟を決めて言った。
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