3章"再会"

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総司を隠れ家に残し、転移方陣で外宮を目指す。 時は昼過ぎ、当代様も開いている時間だろう。 何時もの如く隠し通路から直接奥宮に入る瑠衣。 そろそろ奥宮の全体が把握出来るまで歩いた。 一応気配を探りつつ当代様の居室に向かう。 "コンッ" 「…橘か…。」 その言葉に、にっこり笑って中に入る瑠衣。 「急にどうした??」 椅子に腰掛け寛ぐ当代様。 「お願いがありまして…。」 「願い??」 「はい、封印を解きます…それで一つ協力して欲しい事が。」 「ほぅ…その気になったか…我に協力とな…どうせ組に戻るのに手を貸せと言うのだろう。」 ニヤリと笑い瑠衣を見る。 「話し早くて助かります…それで・・・・・・・・ 夕方近くまで話を煮詰め、訴状を2つ貰う…。 「此で十分です、ありがとう御座いました。」 「いや…何れ戻ると思っておったしな…それと繋ぎにまた焔を付ける、あやつの記憶はそのままだ…好きにするが良い。」 「分かりました、では…。」 瑠衣は外宮を後にし、隠れ家に急ぐ、転移で一気に方陣まで飛ぶ。 「ふぅ…。」 方陣に出た瑠衣、そのまま家の中に入る。 「お帰り、上手くいったのですか?」 総司の言葉に懐から一筆書かれた訴状を2つ見せる。 「一つは朱雀様、もう一つは会津公…前と同じ、けど今度は内容が違う…。」 この短時間で松平様の一筆も貰って来るとは… 驚きと呆れ半分の総司。 「中身は総司が言った様な感じ…組に縛られず、長期で居ない時は出張か特殊任務にする事、扱いは多分向こうが決める。」 「上手くやりましたね…。」 「えぇ」 にっこり笑って総司を見ている。 「では私はそろそろ屯所に戻らなくては…ですが何時全員集められるか分かりません。」 総司の発言に瑠衣は少し考える…。 「…総司…根付け貸して下さい。」 「???」 総司は言われた様に根付けを外し瑠衣に渡す。 瑠衣は自分の歯で指を切り、血を根付けの石に落とす。 石は輝き瑠衣に反応しているようだ。 「封印の中和で大分力が落ちてましたね… この石は元々私の血で出来ています…ですからお守り…何かあれば私の力を仲介して総司を守る… それと細工しました…私を呼びたい時は根付けに思って下さい、石と私は繋がっていますから直ぐ気付きます。」 ・
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