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皆が受け入れてくれる…やはり此処は温かい…。
瑠衣の目に、うっすら涙が浮かぶ。
「…て事でな…お前にはもう一度あれをやって貰う。」
土方の一言に首を傾げる瑠衣。
「俺達以外皆お前を知らねぇ…それでいきなり食客扱いで幹部級とはいかねぇ…一応入隊試験をして貰う、相手は総司、此なら誰も文句は出せないだろう…。」
「あの~・・・」
瑠衣が良いにくそうに土方を見る。
「なんだ??」
「それって…ぼっこぼこにしても良いって事ですよね…。」
瑠衣は土方の顔を見てニヤリと笑う。
「・・・あ…あぁ…勝ってくれた方が都合はいいが…↓↓」
土方以下、瑠衣の実力を知っている連中は顔が青くなる。
「ちょ…ちょっと待って下さいよぉ~私の意思はぁ~!!」
総司も不味いと土方に噛み付く。
「総司、お前にゃ無い!!
大人しくやられろっ!!」
「そんなぁ~↓↓↓」
瑠衣の実力を一番知っているのは総司である、勿論自分が瑠衣に勝てる訳が無い…↓↓
「ならどうだ、橘君を私の縁者として紹介し、理心流で戦って貰う…此ならだれも疑わないだろう…。」
同じ流派で戦うなら、まだ少しは望みはある…と思う…多分…。
「では明日お願いします"沖田先生"♪」
瑠衣は楽しそうに総司言う。
「…明日は地獄の一日に…なりそうです…。」
がっくりうなだれる総司。
「部屋は…前と同じで良いな、お前らくっつけとかないとロクな事がねぇ…↓↓↓」
(此奴ら離すと暴走する鬼が二人出来上がる…↓↓)
それだけは全力で阻止したい土方である…(要は始末に負えない)。
「なら今日は此で解散しよう、明日朝試合でいいね橘君。」
「はい。」
皆それぞれ瑠衣に声を掛け、近藤の部屋を後にする。
土方も…
「布団は勝手に布団部屋からもってけよ。」
そう言い残し仕事に戻る。
瑠衣も近藤に挨拶して部屋から出る。
それを追いかける総司。
「…上手くいきましたね。」
小声で瑠衣に話す。
「そうですね、予想以上です、明日覚悟して下さいね。」
密かに笑いながら総司に返す。
布団部屋から布団を持ち出し、久しぶりの自室へと入る。
「何だか懐かしいですね…」
総司は蚊帳を吊しながら、にこやかに笑う。
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