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(…小五郎はまだ知らないのか…長州が降伏したのを…)
連合艦隊との戦いは長州の降伏で幕を閉じる…それが長州を立て直すきっかけにも繋がる。
桂の読みは間違ってはいない、今頃高杉辺りが長州で力を付け立て直し始めるだろう。
リストの人間を追って一度は長州、土佐、薩摩には行かなくてはならない、その時何を見るのか…。
「小五郎なら出来るんじゃないかな…まぁ自分の感だけどさ…。」
「不思議と瑠衣に言われると出来る気がするよ、面白いね…本当に坂本竜馬にも会えたし…瑠衣のお告げかな?」
「ぁはは…自分にそんな力は無いよ、全て小五郎の努力。」
瑠衣は立ち上がり刀を腰に差す。
「おや…もう行くのかい?」
「うん、帰る場所があるから…その前に寄り道もしないといけない。」
桂は寂しげに瑠衣を見る。
瑠衣は桂に近寄り頬に軽く口付けする…
「あの人の所に戻ったから、もう抱き締めてはあげないよ、小五郎の努力はきっと結果に結び付くよ…じゃあね…。」
瑠衣は軽く笑って、窓から飛び出して行った。
「努力…ね…私は何処までやれるのかな…ねえ瑠衣…。」
触れられた頬に手をやり、桂はずっと窓を見ていた。
"トンッ"
方陣に降りる瑠衣。
そのまま自分の隠れ家に入る。
手甲を外し、文机の上に置く。そして、リストから一枚抜き下に落とす。
「また一人…。」
中々減らないリストを前にして、少々うんざりな顔をしている。
「あぁ…刀の手入れしてから戻らないと…。」
今の刀を見られたら、人を斬ったのが直ぐ分かる。
徐に刀の手入れを始める瑠衣…
「小五郎も動き始めた…」
時代はどんどん進む…今は表で光輝いてる新撰組も、あと数年で影になり追われる立場になる…。
此ばかりは止める事は出来ない…そう決められているから。
辛い血の道…やはり先なんて知ってるものじゃ無い…。
「今は裏でも、いずれは表か…皮肉だな…。」
綺麗に手入れした刀を収め、瑠衣は隠れ家を後にする。
帰る場所-新撰組へと・・・
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