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と…此処で話は始めに戻る。
茫然としている瑠衣。
何故に斎藤??
「他に居ねぇんだよ、安心して一人で出させて総司に似てる奴がっ!!」
ガリガリと頭を掻き、土方も相当苛々している様だ。
「斎藤にゃ無理矢理髪型を替えさせる…他に方法が無ぇ」
普段斎藤は髪を下ろして一区切りにしている、短い訳では無いので、無理すれば出来る事は出来る。
「ですが・・・斎藤さんはどちらかと言えば居合いですよね…。」
「其処は我慢して貰う、それとわざと隊服来て巡察に一人で出て来れ。」
「…はぁ…↓↓」
土方も仕方が無いといった顔で此方を見ている…自分と総司は兎も角斎藤まで・・・
(哀れ斎藤さん…↓↓↓)
「だったら聞くが、他に腕が立って、総司に似てる奴が居るか??」
原田は大き過ぎて無理、藤堂は小さ過ぎて無理、永倉は背格好が違う、後の幹部では不安…強いて言えば山崎だが只今出張中…。
「…居ないですね…でしたら副長は?」
土方なら見えない事も無い。
「そりゃ無理だ…。」
土方の目が書類の山を追っている…。
「…仕方ありませんね。」
「それと、後方支援に原田か藤堂の隊を付ける、十五名編成で襲われない様にする。」
「分かりました…似せれば良いんですね似せれば…。」
「そういう事だ…。」
土方はニヤリと笑う…。
此処で素直に…というのも少々面白く無い。
瑠衣はすぅ~と息を吸い込む。
「そうですねぇ~土方さんのやる事ですから、どうせ何か裏があるに決まってますよぉ~私としては、其方を聞きたいですねぇ~ねぇ土方さん♪」
思いっきり総司の真似で返してやる。
「た…橘…お前なぁー!!」
流石に土方の顔も引きつる…。
「やだなぁ~総司ですよ、間違えないで下さいよぉ~!!」
尚も追い討ちをかける瑠衣…。
「あぁ-!!分かった!!
頼むから止めてくれ、本当に総司が二人居るみてぇだ…↓↓」
観念して両手を上げる土方、総司が二人…止めて欲しい↓
「うちの隊士の他に、不明な殺しがあるんだよっ!!
切り口は皆一突き、見た者は誰もいねぇ、其奴は倒幕佐幕関係無しに殺してる、そっちも調べて貰いてぇ…あぁ-此で良いかっ!!」
土方がやけくそ気味に話す。
「…分かりました。」
瑠衣は今度は素直に頷く、まさか自分とは言えないので、この辺で引いておく。
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