4章"裏表"

8/32
前へ
/1184ページ
次へ
と…此処で話は始めに戻る。 茫然としている瑠衣。 何故に斎藤?? 「他に居ねぇんだよ、安心して一人で出させて総司に似てる奴がっ!!」 ガリガリと頭を掻き、土方も相当苛々している様だ。 「斎藤にゃ無理矢理髪型を替えさせる…他に方法が無ぇ」 普段斎藤は髪を下ろして一区切りにしている、短い訳では無いので、無理すれば出来る事は出来る。 「ですが・・・斎藤さんはどちらかと言えば居合いですよね…。」 「其処は我慢して貰う、それとわざと隊服来て巡察に一人で出て来れ。」 「…はぁ…↓↓」 土方も仕方が無いといった顔で此方を見ている…自分と総司は兎も角斎藤まで・・・ (哀れ斎藤さん…↓↓↓) 「だったら聞くが、他に腕が立って、総司に似てる奴が居るか??」 原田は大き過ぎて無理、藤堂は小さ過ぎて無理、永倉は背格好が違う、後の幹部では不安…強いて言えば山崎だが只今出張中…。 「…居ないですね…でしたら副長は?」 土方なら見えない事も無い。 「そりゃ無理だ…。」 土方の目が書類の山を追っている…。 「…仕方ありませんね。」 「それと、後方支援に原田か藤堂の隊を付ける、十五名編成で襲われない様にする。」 「分かりました…似せれば良いんですね似せれば…。」 「そういう事だ…。」 土方はニヤリと笑う…。 此処で素直に…というのも少々面白く無い。 瑠衣はすぅ~と息を吸い込む。 「そうですねぇ~土方さんのやる事ですから、どうせ何か裏があるに決まってますよぉ~私としては、其方を聞きたいですねぇ~ねぇ土方さん♪」 思いっきり総司の真似で返してやる。 「た…橘…お前なぁー!!」 流石に土方の顔も引きつる…。 「やだなぁ~総司ですよ、間違えないで下さいよぉ~!!」 尚も追い討ちをかける瑠衣…。 「あぁ-!!分かった!! 頼むから止めてくれ、本当に総司が二人居るみてぇだ…↓↓」 観念して両手を上げる土方、総司が二人…止めて欲しい↓ 「うちの隊士の他に、不明な殺しがあるんだよっ!! 切り口は皆一突き、見た者は誰もいねぇ、其奴は倒幕佐幕関係無しに殺してる、そっちも調べて貰いてぇ…あぁ-此で良いかっ!!」 土方がやけくそ気味に話す。 「…分かりました。」 瑠衣は今度は素直に頷く、まさか自分とは言えないので、この辺で引いておく。 ・
/1184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2981人が本棚に入れています
本棚に追加