4章"裏表"

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「兎に角話は以上だ、もう良いぞ。」 …かなりきつい…瑠衣の総司発言に土方は暑さも忘れうなだれいる。 「では失礼します。」 一礼して部屋から出て行く瑠衣を目で追う…。 (勘弁してくれ…あれで女だっていうんだから、対処の仕様がない…↓↓↓) 流石に頭を抱える土方。 (あれで脱げば、その辺の女顔負けなくらい良い女なのが不思議だ…) 謎が山程の橘…だが信用は出来る、だから組に止めた。 あの時一人でも橘の事を反対したら二度と此処には姿を現さなかったと思う。 それに・・・・・ (総司のもので無かったら今頃…) 無理矢理でも橘を手に入れていたのでは無いか? 「あ~!!だから違うっ!!」 考えが邪な法に向かない様に、土方は文机に向かい書類に真剣に目を通し始めた。 「…と言う訳です…。」 斎藤の部屋で、先程の土方からの話の状況説明をしている瑠衣。 斎藤も話自体は伝わっているらしく、影武者には文句はなさそうだが、姿を総司に似せるのには抵抗があるらしい。 「…仕方が無いが…どうしても似せなければならないのか。」 「はぁ…髪を上で一区切りが見分けの付け方らしいです。」 瑠衣もすまなそうに斎藤に話す。 「ならばやるしかあるまい。 しかし居合いも駄目となると厳しいな…。」 「う~ん…理心流に抜き際に一太刀というのはありますね。」 瑠衣は立ち上がり、型の真似をしてみる。 それを見て斎藤は考える。 「それなら使えそうだな…どうせ居合いも一太刀目が勝負、それに似せれば良い。」 「多分後は乱戦ですね…。」 「あぁそうなるだろうな。」 一人逃がせば支援部隊を呼ぶのも良し、一人で斬り伏せるのも良し…といった所。 「多分一番の問題は総司ですね、みさかい無く全員殺ってしまう恐れがあります、今回は自分も別行動ですから。」 「あぁ…そうだな…総司ならやりかねん…。」 瑠衣は座布団に座り溜め息を吐く。 「…ですよね…抑える方法無いですかね…気付いて走っても間に合う可能性は低いですから…。」 「…あったら苦労はしないな…。」 「やはり…。」 がっくりと肩を落とす瑠衣。 「兎に角斎藤さん、伝えましたからね、変装お願いします。」 「はぁ…分かった。」 瑠衣はすまなそうに部屋から出た。 ・
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