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夜ー
「久しぶりですね隊服…。」
瑠衣は隊服を見て懐かしそうに言う、実は池田屋前に隊服は廃止になっている。
あの時隊服を着ていたのは気を引き締める為と敵見方分かりやすくする為…。
「本当ですねぇ、やっぱり此が良いです。」
「・・・・・・・・・・」
斎藤は髪を上に一区切りにして隊服を羽織っている。
「さ…斎藤さん…↓↓↓」
多少不機嫌な斎藤、瑠衣も気が気でない。
「と…兎に角行きましょう…」
隊務だからと言い聞かせ、京の街中に入る。
藤堂達は此処で待機、何かあれば呼び子で連絡となっている。
「分かれるぞ…。」
斎藤は一言いって歩きだす。
「では私は此方に行きますね…。」
斎藤と別方向に歩いて行く総司。
「では自分も…平助後お願いします。」
「うん、分かったよ。」
瑠衣も別働隊を置いて二人とは違う方向に歩き出した。
祇園ー
「何だって!!」
桂は藩士と共に料亭に居た。
「ですから先生、一部の藩士が吉田先生の仇と壬生浪、それも沖田総司を狙っているのです…。」
料亭に来た藩士は穏健派の一人で、今回の騒動を止めたいと桂を呼び出した。
「しかし…壬生浪の沖田…人斬り沖田の顔もわからないのに…。」
実際の沖田の顔をはっきり見たものは居ないただ髪を一区切りにし、菊一文字を所持しているそれだけ。
「えぇ、ですから話による似た壬生浪を探している…そんな調子です、幸い襲ったのは皆平隊士だった様で、本物には出くわしていません。」
「…本物だったら命は無いだろうね…。」
「はい、ですからそうなる前に先生にお願いに上がりました…。」
藩士は悲しい顔で桂を見ている。
(何時までこんな事を繰り返すのか…私はこんな為に京にいるのでは無いのに…)
「それで、今日も出てるのかい??」
「はい、恐らく祇園周辺に潜んでいるかと思います。」
「では、説得しに行かなければいけないね、詳しく場所を教えてくれるかい?」
「は…はいっ!!」
桂と藩士は潜む予定の場所を地図を見て確認する。
「分かったよ、君は此処に居なさい、私が一人で行ってくるよ。」
「ですが!!」
桂は立ち上がり戸口に歩く。
「大丈夫、それに一人の方が刺激しなくて良い、ではね。」
桂はそのまま料亭を飛び出した。
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