一章"神"

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「優衣、"時渡り"をする。」 急な朱雀の話しに優衣は目を丸くする。 「しかし主上、まだお力の回復が…」 あの程度で力を使い過ぎてるとは思わないが、多少なりとも消耗しているのは確か 優衣は止めなければと必死に言葉を探す。 「せめて"儀式"の後にでも…」 「だからだ、大した力は使っておらぬからの、今のうちに"時渡り"をして力の回復をした方が早い。」 要は"裏の儀式"が嫌なのだ、一族の男とは言っても、男は男 何の感情も無く交わるのがほとほと嫌な気分にさせる。 "神"だからと言って感情が無い訳では無い、感情を隠しているのだ。 『理想の朱雀像』 人々が勝手に作り上げた、こうではならないという幻、仕方なく代々の四神は無表情で高圧的な物言いをするようになった。 ・
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