第6章 神、獣達の夜に

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マグ{聞いてほしいのだ!食事とは生き物たちが本能的に持っている欲求の一つである食欲を満たすものなのだ。他にも生きるためのエネルギーに変えるのだ。だから食べた日と食べなかった日では活動の幅が全く違うのだ。主のような神様や精霊達は魔力があれば生きていけるが、生き物たちは魔力の他に食べ物がないといきていけないのだ!} ジン「でもマグナってあの何もない結界内を生きていく為に、僕達みたいに魔力だけで生きていけるように進化したはずだから必要ないよねー」 マグ{それでもなのだ!ワレも昔は食べて生きていたから、本能的に食べることを求めてしまうのだ!} マグナの言い分にしばらく考え込んでいたが、仕方ないなぁと行った感じでブレスレットを撫(な)でた。 ジン「はいはい、わかったよー。そこまで必死に言われたら頷くしかないよ」 マグ{あ、主………} 楽しそうにニコニコしているジンは先程とった白いフードをかぶり直した。そしてゆっくりとある方向に視線を向ける。 ジン「さて、そろそろお喋りはお終いだね。…………お客さんだよ?」 マグ{なに……?} 楽しそうに笑っているジン(はたから見たらフードのせいで表情すら分からない)の視界の中に現れたのは、ジンのように大きめのローブを身に纏っている人。違う部分と言ったら背が高い所と、ローブの色が青色な所である。 ジン「初めまして、かな?こんばんは、かな?どっちがいいと思う?」 ???「……………」 いつも通りマイペースなジンに、初対面である青いローブを着た人は何も言葉を発しない。ただ、警戒心を強めたことはジンでもわかった。 ジン「んー、何か喋ってよ。静かな時間はそんなに好きじゃないし、つまらないよ?」 ???「…………お前は何者だ?そこらで気絶していた盗賊たちの仲間なのか?」 ジン「いーや、違うよ。僕はたまたまこの村に来た“普通”の旅人。ちなみに盗賊たちは僕が倒したんだ」 一部ジンにとって大切な部分を強調し、マグナのことがバレないように嘘も交えておくジン。こんなに平然と言われてしまったら、疑う人は少ないだろう。 *
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