第4章 神、初めての〇〇♪

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この競い合いはギルドに登録している者達にも存在する。大都市メリッサや中央都市アスタルにいけば他の街に比べていろんなクエストを受けることが出来るが、やはりシャロットの方が情報の伝達が早いし、何より大きな都市には“帝”がいるため彼らより目立つのは難しい。そのためシャロットに集まってくるギルドの登録者達は出来るだけ高いクエストをたくさん受け、他の登録者達にはスキを見せないように堂々する。それがシャロットにいる“昔の者達”の当たり前であった。 しかし今の者達は……… (こんなに腐ってしまった………って、お母さんが言ってましたね) 女の子が母親の話を思い出している中、人だかりはあのフードの人について様々な予想をしながら少しずつ散り散りに歩き始めていた。 女の子も帰ろうと思い、中央広場に向かって歩き出そうとすると視界に見知った女性がこちらに向かって走ってくる姿がうつった。 「メリル!大丈夫だったのかい!?」 その女性は茶色い髪に白髪が混じっており、青色の瞳の目元や頬にシワがあることからだいぶ年を取っていることがわかる。 「大丈夫よ、お母さん」 女の子―――メリルは自分のお母さんを安心させるように手を広げて怪我が無いことをアピールしながら優しく微笑んだ。 .
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