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{アリネさんの剣技は基本的に居合いの状態から剣を振る瞬間剣から魔力を放出するか、剣に魔力を纏わしたまま斬る技みたいなんだ。今のは剣の代わりに拳から魔力を放出しただけだよ}
意外と簡単だよ。と楽しそうに言う自分の主にマグナはやっぱり呆れるしかなかった。
確かに聞いた限りでは簡単そうに聞こえる。
だがそれに加えて足に一時的魔力を集めることにより、脚力を強化してその状態で静止状態から一瞬でMAXスピードにもっていくという二つのことを同時に行うなんて普通最初から出来ることではない。
まして、アリネの六式抜刀術の三種類をそれぞれ一回ずつ一瞬しか見ていないはずなのにだ……。
{それでどうするのだ?目立った上に、無言で去ることが出来なくなったぞ?}
マグナの念話にジンは周りに視線を向けてみると周りの人々と女の子は事の成り行きを見守っており、チャラ男の仲間は顔を青ざめながら怯えるようにこちらを見ていた。
{こういう時、どうすればいいのかなぁ?}
{…………ワレに聞かないで欲しいのだ}
{うーん…………あ、そうだ!}
しばらくジンは顔をしかめながら(周りからはフードで分からない)考えると、何かを思い付いたようで一歩前に出た。
そしてチャラ男達に向かって精一杯の低い声で――――
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