第4章 神、初めての〇〇♪

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―――――――― 時を少し戻って… 「え?あ、あのー………」 女の子は手を出しながら自分を助けてくれたフードの人を呼び止めようとする。 しかしフードの人は止まることなく、そのまま歩き去ってしまった。 「行ってしまわれました……。まだ、お礼の一言も言ってませんのに」 そう言いながら女の子は表情を暗くしながら溜め息を吐く。 (しかしあの人は何者なんでしょうか?わざわざ私を助けてくれたってことはこの街の人ではないみたいなんですが………) この街の人々は見ず知らずの他人をいろいろな意味で助けるということ滅多にしない。それはこの街が物流の街シャロットならではの理由がある。 前話したが、この街はいろんな所から物や人が集まる。物を運ぶ人や売ろうとする人、旅の休息を求める人、そして自分の名を売ろうとする人。最初の二つは他の街とあまり変わらない。しかし、最後のは他の街と違う。 文字通りの意味ではなく、有名になるという意味である。例えばお店の場合、人の行き来が盛んである分、情報が早く世界中に流れやすいのである。それゆえに有名なお店やなどには人がたくさん集まるがそうでない無名のお店はすぐ潰れてしまう。なので人をより多く集める為にお店側は様々な工夫をし、他店と競い合うのである。 それが昔からこの街のお店の質が高い理由にもなっている。 .
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