4898人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
「本当に怪我は無いのかい!?無理やり隠してはいないだろうね?」
「本当に大丈夫だって。心配しすぎよ、お母さん」
メリルがいくら大丈夫と言っても全く話を聞かないでメリルの体中を触って怪我がないか確認し続ける。
そんな自分の母親に呆れながらもメリルは内心自分を心配してくれる事に喜びを感じていた。
「怪我は………本当に無いようだね。」
メリルの母は安堵の表情を浮かべながらやっとメリルから手を離しす。
「だから無いって言ったのに」
「いや、わからないよ?メリルはお母さんに似て、隠し事が上手だからね。それより何があったんだい?お母さん、メリルがギルドの奴に絡まれているって聞いて飛んで来たんだけ……ど………」
やっと話が進もうとしたところでメリルの母はいきなり驚きの表情で固まってしまった。
その視線の先はメリル………ではなく、その斜め後ろにあるお店。
ただのお店なら驚くことはない。この街に長年住んでいるメリルの母はこの街全てを知っており、自分の庭のようなもの。
もし知らない所があってもお母さん達の情報交換の場所である井戸端会議ですぐ自分の耳に入ってくるのである。
.
最初のコメントを投稿しよう!