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しかし今見ているものは自分の知らないもので、聞いてもいないものである。
それは―――
「メリル、あの店はいつ壁に模様を付けたんだい?」
チャラ男がお店の壁にぶつかったから付いたのか、“大”という形の跡がくっきりと残っていた。
「えっと、それは―――(※)」
※ジンがチャラ男に恥をかかした所~去るところまで説明しました。
小説って便利ですね♪
by作者
「………そんな事があったんだね」
「うん。言っている事が変でしたけど、とても良い人でした。」
気のせいか、目を輝かしながら言うメリルに対して母は未だに視線を壁に向けていた。
「変なん人でしたけど、物語に出て来る人みたいに私を助けてくれました………」
(あの壁に付いている跡………。相当“出来る”わね)
「それにあの格好。不思議な感じがあってフードの下はきっとイケメンさんなんでしょうね……………ポッ」
しばらく母は壁を見ながらブツブツと何やら呟いていたが、隣で自分の娘のキャラがだいぶ崩壊していることに気付く。
「ほらメリル、イケメンさんは置いといて帰るよ」
「え、聞いてたの!?」
やっと意識が戻ってきたメリルとともに母は自分たちの家がある東地区に向かって歩き出した。
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