第5章 神、家族って………

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先程の騒ぎから逃げるように歩き去ったジン。 しかし歩いている道は騒ぎの前に通った道であり、ジンの姿見て不審に思った人々がちょうど噂をしている道でもある。 なので――― {ねえねえ、マグナ。さっきから視線がいっぱい集まってて凄く痛い} {そうか?ワレはこの街に来てからずっっっっっと!!感じていたから慣れてしまったぞ} {………マグナ怒ってる?} {……別に怒ってないぞ。あまり目立たないようにするって主は言っておったのに、ずっと目立つ行動ばかりしているのを見て止めて欲しいとは少しも考えていないぞ} 怒ってはいない、と言いながらもどこかツンツンとした言い方をするマグナ。 {ごめん} さすがのジンもマグナが怒っているのを察したらしく、顔に出さないようにしながら申し訳なさそうに謝った。 {分かってくれたのなら良い。取り合えず脇道にでも入って身を隠さないか?このまま歩いていても周りの視線を集めるだけだぞ?} {そうだね。あの店と店の間にある路地にでも入ろっか} ジンの視線の先にはちょうど大人1人がやっと通れるぐらいの幅の道がある。 {そこで良いと思うのだ。人気もなさそうだし、一時的に身を隠すには丁度良い} {なら決まりだね} しかし決まったからといって直ぐに路地に入る訳には行かない。このまま路地に入ってしまうと現在進行形でジンに付いてきている者に追跡を許してしまうからだ。 なので自然に目標の路地を歩いて通過した瞬間――― {今なのだ!!} {よっと!} 全力で足だけにムーブをすると、並みの者には見えない程の速さで一気に路地へ駆け込んだ。 .
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