4899人が本棚に入れています
本棚に追加
「なっ!どこに行った!?」
並みの者である追跡者は辺りを見回すが既にジンはこの者も通り過ぎた路地の奥に行ってしまったため、見つかるはずもない。
「付いてきている事がバレているのは薄々気付いていたが、…………まさか消えるとは」
追跡者―――身長が2㍍を超えているゴリマッチョの大男は悔しそうに頭をかきむしった。
その背中には同じく2㍍程の大斧が揺れている。
「クソ!これではオレ様が考えた超絶最高の計画『目立ってる奴を倒して更に目立つ!』計画が成功出来ないじゃないか!!」
道の真ん中で頭の悪そうな事を叫ぶ大男。ある意味、現在この大男はジンよりも目立っているだろう。
――――――――
裏路地…
{ん?}
{どうしたの?}
{いや、何でもない。もう出て来なさそうな者の声が聞こえた気がしただけだ。それよりこれからどうするのだ?今のままだと表に出たら直ぐに目立ってしまうぞ}
ジン達が見る限り路地の幅は狭く、お店から出たゴミらしき物が無造作に置かれている。
ゆえに人の気配が全くないのでジン達の周りは静かだが、表に出れば間違いなく全身真っ白の怪しい人という事で目立ってしまうだろう。
どうすればよいか、マグナが真剣に悩んでいると………
{大丈夫だよ}
突然ジンが脱ぎだした。と、言っても目立つ原因になっている真っ白のローブだけである。
{………やはり脱ぐのが一番の方法なのか}
{え、脱がないよ?脱いだら旅人らしくないじゃん。だから…………、こうするの!}
{な、何と!}
ジンの旅人らしく、そして目立たない方法にマグナは驚きの声を出した。
.
最初のコメントを投稿しよう!