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{実はこのローブ、裏に“普通の旅人が着てるようなローブの模様”が描かれてるんだよ!だからローブを裏返して着れば完璧!}
{………………}
{えっへん!}
※どのような模様かは皆様のご想像にお任せします。
確かにジンがローブを裏返してフードをかぶらないで着てみると、どこにでもいる旅人にしか見えない。
しかし忘れているかもしれないが、ジンは自身が忘れてしまう程生きているのに、見た目が16歳ぐらいの人間の子供なのだ。
それゆえにこのまま旅を続けるとある問題が発生する可能性があるのだが、マグナにはどうでもよい。ただジンに言いたかった。
{何故最初からそっちの方で着なかったのだ!?}
怒りや驚きなどで訳が分からなくなっているマグナに対して、ジンは「えー」みたいな表情になっている。
{だってこのローブには“自動修復”と“自動洗浄”の機能が付いていて、しかも白い方にだけ“魔法防御”の魔法陣が刻まれてるんだよ?着るなら白い方でしょ}
「当たり前だよ」みたいな顔で言う(念話で)ジンに、マグナは闇光の中で溜め息を吐くがこれでもう恥ずかしい思いをしないで良いと思い、内心安堵している。
{では主よ。問題が解決したことだし、この後どうするか決めないか?}
{そうだね。だけど………}
{ん?だけど…………どうしたのだ?}
マグナの疑問に答えないで辺りを見回すジン。
辺りは先程と変わらず人の気配がなく、道には無造作に置かれたゴミがあるだけで静かである。いや、“静かすぎる”。
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