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???…
「何とか大通りに出たよ!」
{誰に言っておるのだ?}
あの後マグナの提案で取り合えず移動しようと決めたジン達。その時ジンは『適当に走ったから迷った』と思い、何故か『もう一度適当に走れば大丈夫』という謎の知識を創り出し、実行してしまった。
しかしその結果見事に大通りに出ることが出来て、今にいたる。
{マグナ~、空が………}
{ふむ。赤いな}
ジンが見上げる先には太陽が地平線の彼方へ消えようとしており、反対側には赤色と青色の二つの月が顔を出し始めていた。
ジン達が迷子になったのがお昼過ぎぐらいだったので相当時間がかかったのが分かる。
{ふむ。………どうやらここは東区のようだな}
ジンが広げている地図を見ながら言うマグナ。
{うーん、この後どうしよっか?夕方っていうことはお店を閉め始める時間だし、やることが無くなるよ?}
{うむ。お金は…………もう使い切ってしまったようだな}
{うん。多分泊まるお金もないね}
{ワレらが泊まる必要はなかろう。主が大丈夫ならこのまま出発しないか?}
{やっぱりそうなるか。はー……}
何やら残念そうに溜め息を吐きながらうなだれるジン。大方もっとこの街を見ていたかったのだろう。
(セーラさんから頼まれたことだし、しょうがないか。………もっと遊んでいたかったなぁ)
もう一度溜め息を吐くと、現在地を確認するために顔を上げた―――
「あ!え、えーと。その………どうかされましたか?困っているようですけど………」
目の前に15歳くらい女の子が立っていた。
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