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目の良いジンが東口を見てみると扉の形・描かれている微妙な模様は最初に見た南口の門と全く同じに見える。
さらによーく見てみると扉の材質は鉱石らしいが、作られてから随分経っているらしく表面が錆び付いていたり、汚れていたりしてどんな種類か分からない。
(おお、魔法陣まで刻まれてる。ランクで言うと最上級以上の防御魔法陣かな?)
それ以外に何か気付くことがあるか眺めていると………
“ゴオォォォォ!!”
「おお……………!」
突如として聞こえてきた轟音を聞きながらジンは驚きの声をあげた。
遠くにいても威圧感を感じてしまうほど大きな扉がどんどん閉まっていくではないか。
“ゴオォォォォ!!”
扉が閉まっていく音がとてもうるさいのだが、この街の人々は特に気にしていないようだ。
それどころか「お家に帰る時間だ」と、小さな子供達がジン達の脇を通り過ぎて行った。
“ゴオォォォォ!!ガチャン!!”
“ガチャン!!”
“ガチャン!!”
“ガチャン!!”
やがてゆっくりと閉じていった扉は大きな金属音と共に街の中と外を遮る壁となった。東口の扉が閉じた後も扉が閉じる音がしたので他の門も閉じたのだろう。
「あ……………」
「驚いたかい?まぁ、初めてこの街に来た人は皆そういう顔をするよ」
口を開けたまま固まっているジンを見て、メリルの母がニコニコする。
その後ろで若干、母のに隠れながらメリルもクスクスと笑っていた。
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