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30分経過~
「ふぅー…………」
「おつかれさま」
結局魔法学園イリーガルについてだけで30分も話したメリルは疲れた様子でテーブルに突っ伏している。
それを見てジンは笑いながら労(ネギラ)いの意味で頭を撫でてあげた。
「っ…………!」
突然撫でられたことにメリルは一瞬驚くが、あっという間に頬を赤らめると気持ち良さそうに目を細める。
(この写真だけでも相当大きそうだね)
しかしジンは学園の全体写真を見ていたのでメリルの様子に気付くことなく、直ぐ撫でるのを止めてしまったのでメリルは残念そうな顔で離れていく手を見つめていた。
「もう少し…………ボソ」
「ん?どうかしたの?」
「ううん。何でもない…………です……」
慌てて首を振るメリルにジンは首を傾げるが、「何でもない」と言われたので気にしないで写真に視線を戻した。
(しかしいっぱい学園での写真があるなぁ。メリルはイリーガルについて沢山知ってるし………、何でだろ?)
ジンは先程からずっとアルバムの写真を見ているが途中までは普通の日常的な写真だけだった。しかしある時から学園の、しかも建物の写真ばかりである。
「ねえねえメリル。何でここら辺は学園の建物の写真ばかりなの?」
ジンが首を再び傾げながら聞くとメリルは待ってました、という風にまんべんの笑みをジンに向けた。
「ふふふ、聞いてくれる?実は私、今度学園ににゅ「メリルは魔法学園イリーガルの入学試験に受かったんだよ」………もう、お母さん!」
メリルが抗議の声を送った先には両手いっぱい料理の入れ物を持ったメイシスがご機嫌な様子で立っていた。
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