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「ずず~……………ゴックン」
メイシスがメリルを部屋へ連れて行った後もジンは居間で1人、お茶を飲んでいた。
というのも……
「ごめんなさいね。ちょっとお話をしていたの」
「別にいいよ。それより話って?」
「ええ」
メイシスちょうどジンの向かい側に来るように椅子に腰掛けた。
先ほどメイシスがメリルを連れて居間を出て行こうとした時、ジンとすれ違いざまに「ちょっと待っていて………コソッ」と言っていたのだ。
「まずさっきはありがとう。あの子のワガママを聞いてもらっちゃって」
「別にいいよ。僕も行きたい場所がなくなったらどこに行こうか悩んでたし、逆に感謝してるよ」
「本当?そう言ってくれると助かるわ。メリルはもの凄い人見知りだから貴方みたいに気を許せる人が少ないのよ」
「へー、だから最初は敬語を使っていたんだね」
口ではこんな事を言っているがジンはメリルがいつから敬語を使わなくなったか覚えていない。
ジンにとって会話とは相手に自分の気持ちや考えを伝えるためだけの行動と考えているので、伝わりさえすれば話し方なんてどうでも良いのだ。
「だから…………メリルが気を許す数少ない人だからこそ僕の事を詳しく知りたい、でしょ?メイシスさんが言いたい事は」
「っ!!そう、気付いていたのね………」
「うん。前、今のメイシスさんと同じような目つきをした人が同じ事を聞いてきたから」
(アリネさんがそうだったし)
ついこの前、アリネと出会った時の事を思い出しながらジンはメイシスに話し出した。
自分の記憶の中から引っ張り出した、とある物語のキャラクターの生(オ)い立ちを自分の事のように……。
(内容はP.57見てね♪)
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