第6章 神、獣達の夜に

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???「そうか、疑って悪かったな。てっきり盗賊たちの生き残りだと思った」 案の定、簡単に信じてしまった。 ジン「いいよいいよ、楽しかったし。それじゃあ、僕はもうい━━━━━」 キンッ!! ジン自身本当に楽しかったらしく、意気揚々と背を???に向けようとした瞬間何かが迫ってくるのを感じた。とっさに闇光で叩き落としてみると、それは冷たく宝石のように輝く槍だった。 再び視線を???に戻してみると、その人は水色の模様がある剣を持ち、周りには先程はなかった氷の柱が複数できていた。 ジン「僕は盗賊じゃないんだけど?」 ???「ああ、それは分かってる。だがな………」 ???の人が剣とはいえ反対の手を前に突き出すと、周りにある氷の柱が宙に浮かび上がる。 ???「お前みたいな不審者を見つけたら、取りあえず捕まえるのが世の為だろ!」 ???の言葉と同時に氷の柱がジンに襲いかかってきた。反論させる気のない氷の弾幕に、ジンは仕方なく一つ一つ真っ二つに切り裂いていく。だがジンの視界の端では次々と氷の柱が空中に発生し、永遠にジンめがけて飛んでいく。 キンッ!! キンッ!! キンッ!! キンッ!! ジンがひたすら氷を斬り続けて数分、ジンの後方には氷の針山ができあがっているが、未だに終わる気配がない。それどころか、氷の柱が大きくなっている気がする。だがジンは何でもないように黙々と氷の柱を斬る作業を続けた。 ジン「ねー、まだ終わらないの?せめて攻撃の種類変えてよー。僕飽きちゃったよ」 体力よりも先に集中力が無くなってしまったらしい。どうやら同じ事や詰まらない事が続くとすぐに飽きてしまうみたいだ。 ???「…………ほらよ!」 ジンの要望に応えてくれたのか、それとも隙ができたと思ったのか、氷の弾幕が止まった。その代わりに月の光で明るくなっている周囲が突然暗くなった。 ジン「わおー」 ふとジンが夜空を見上げてみると、そこには軽く一軒家ほどの大きさはある氷の玉が浮かんでいた。 *
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