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「んー……。その前に今、終始の地は封鎖されてるの?」
「え~と、封鎖されてるよぉ~。近くの村の人達に協力してもらってぇ~、そうしないと危ないからねぇ~」
「ならこの街を少し見てまわってからすぐ出発するよ」
「そっかぁ~。ズズー」
セーラはそういいながらお茶を一口すする。
そこからいくらジンが待ってもセーラは静かにお茶飲み続けているので、ジンは標準装備の笑顔から自然な笑みを浮かべると執務室のドアに手をかける。
「行ってらっしゃい」
ジンがドアを開けたとき後ろから聞こえてきたので、初めて「行ってきます」と言うと部屋から出て行った。
――――――――
「さてとぉ~、どうなるんだろぉ~」
ジンが部屋から出て行き、足音が遠ざかっていくのを確認するとセーラは机に置いていた用紙の中から一枚の紙を取り出した。
『名前:ジン 16歳
出身地: 無記入
職業:旅人
その他:世界を知りたい
』
この謎だらけの登録用紙をセーラはもう一度読み直すとさらに笑みを深めた。
「少なくともぉ~、面白くなりそぉ~」
セーラはこの先のことを考えてワクワクするがこのあとの準備も考えてしまい、溜め息を吐くのだった。
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