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『それでは、2007年ドラフト会議を始めます』
友沢「いよいよだな」
鈴木「あぁ、果たしてどこに指名されるかだ」
鈴木は高校の時に一度指名を受けたこともあってか、それほど緊張している様子は無かった。
けれども、他のメンバーはそうでもなく、結果次第でこれからの自分の進路が決まってしまうため緊張を隠せずにいた。
ただ、あの馬鹿三人だけは例外で、いつも通りのまま気楽でいるのであった。
豊田「いやぁ、ひょっとするとオレ…5球団くらいから指名がかかるかも」
陣内「いやいや、それだったらオレは6球団くらいだな」
矢部「なら、オイラは7球団でやんす!!」
それぞれがオレだオレだと主張しどんどんと数が上がっていく。
正直、この歳になってやることではないだろう。
みずき「あんた達…よくそんな自信があるわね……」
豊田「だって前の大会で大活躍だったしね!!」
陣内「オレも同じだぜ!!」
矢部「オイラは……ホームラン打ったでやんす!!」
友沢「あれは偶然だろ」
矢部「……………グスン…」
豊田「あーっ!!矢部くんが泣いちゃったじゃないか!!」
陣内「おい、友沢!!お前謝れよ!!」
豊田「そうだそうだ!!あーやまれっ!!」
陣内「あーやまれっ!!」
豊田「とーもだちっ!!」
陣内「とーもだちっ!!」
友沢「お前ら…それは流石にもう流行は過ぎたぞ」
みずき「今更って感じよねぇ…」
豊・陣「orz」
鈴木「まったく…お前ら静かにしろ。テレビの音が聞こえないだろ」
鈴木の一言により、教室に一時の静寂が訪れた。
そしてその時だった……
『津々家バルカンズ
第1回選択希望選手
鈴木 孝
一塁手
パワフル野球アカデミー』
テレビの音声がそうはっきりとそれを伝えたのだった。
そして再び教室内はしばらくの間、静寂に支配された。
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